ここまでやや急ぎ足な感じで FreeBSD のインストールを行ってきました。ここからは FreeBSD の基礎を説明していきます。まずは FreeBSD のバージョンやブランチの考え方について説明します。
FreeBSD はオープンソースのソフトウェアです。開発は CURRENT、STABLE と名の付いた2つの開発用ブランチ(ソースの固まり)に対して行われています。この2つのブランチは世界中の開発者によって絶え間なく変更が加えられています。
ざっくり説明してしまえば、CURRENT は開発最前線、STABLE は安定性向上のためのブランチです。2010/10
現在、9-CURRENT、8-STABLE
が存在します。これらのブランチをネットワーク経由で取ってきてインストールすることももちろん可能ですが、通常は以下で述べる RELEASE
をインストールします。CURRENT は開発最前線のため「動作しない」こともありえますし、STABLE
も安定版とはいえ、開発用ブランチであることに変わりはありません。
上述のように2種類の開発用ブランチが存在しますが、いずれのブランチからも定期的にリリース用の FreeBSD が作成されます。リリース用の FreeBSD にはバージョン番号が振ってあります。「8.1-RELEASE」というのがそれです(8.1-RELEASE は 8-STABLE ブランチよりリリース)。
今後、CURRENT から 9.0-RELEASE、STABLE ブランチより 7.4-RELEASE、8.2-RELEASE がリリースされるものと思われます。CURRENT、STABLE ブランチよりある断面を引っ張り出してきて、十分にテストを行った上でリリースされます。
FreeBSD も頻度は少ないものの、Windows 等と同様にセキュリティホールが発見されることがあります。この際、各ブランチ、RELEASE には即座に修正パッチが適用されます。RELEASE の場合、「8.1-RELEASE-p1」のようなバージョン番号で表現されます。2010/10 現在、8.1-RELEASE 系は「8.1-RELEASE-p1」が最新です。
なお、お使いの FreeBSD のバージョン番号は以下のコマンドで分かります。
(注)セキュリティフィックスの修正箇所がカーネル(OS心臓部)以外の場合、「p1」の部分は付かないことがあります。
本稿では、2010/10 時点での最新 RELEASE である「8.1-RELEASE」をインストールしました。本手順では、まだセキュリティフィックスを適用していませんので、次の節で実施します。
なお、各 RELEASE にはサポート期限があります。セキュリティパッチの提供は基本的にサポート期限内のバージョンに対して行われます。通常はリリース後1年、 「Extended」の指定があるバージョンは2年間です。「8.1-RELEASE」は2年間の「Extended」扱いとなっています。